いつもありがとうございます。舩坂酒造店です。
舩坂酒造店は高山市の古い街並みの中に位置し、沢山の観光のお客様に足を運んで頂いております。飲んで美味しかったから購入や、お土産にと。さまざまな想いで購入されています。
が、どうしても「何を選んだらよいか分からない。」というお声をよく耳にします。そこで、日本酒を買いたいけれども迷われている方に「迷わずに選べる5つのポイント」を大公開いたしますので、どうぞ参考にしてみてください!
日本酒初心者が”迷わず選べる5つのポイント”大公開!
◆1.お酒のランクで選ぶ(特定名称で選んでみる)
日本酒には特定名称酒と呼ばれる分類方法があります。これは、国が定めた日本共通のルールです。「純米大吟醸」「大吟醸」「純米吟醸」「吟醸」「特別純米」「純米」「特別本醸造」「本醸造」とおおよそ8つのランクにわかれています。
主に「純米大吟醸」「大吟醸」「純米吟醸」「吟醸」と呼ばれるランクのお酒は日本酒の香りがとても良いです。これは【吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)】と呼ばれる“香”です。醸造時に各蔵元が醸造のコンセプトの基、香りが出る酵母を選定します。その時一緒に吟醸香も生成されます。
この吟醸香は「果物のような香り」で、“甘いかおり”や“フレッシュな香り”で日本酒を気軽に飲める要因の一つともなります。(リンゴ🍎やバナナ🍌とかの香りに近いです)特に「大吟醸」は醸造アルコールが入っていることにより純米大吟醸よりも吟醸香が華やかに、後味スッキリと感じられます。
※醸造アルコールとは・・・
醸造アルコールとは、でんぷん質物や含糖質物から醸造されたアルコールをいいます。
もろみにアルコールを適量添加すると、香りが高く、「スッキリした味」となります。
さらに、アルコールの添加には、清酒の香味を劣化させる乳酸菌(火落菌)の増殖を防止するという効果もあります。吟醸酒や本醸造酒に使用できる醸造アルコールの量は、白米の重量の10%以下に制限されています。※吟醸造りとは・・・
吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的によりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することをいいます。吟醸酒は、吟醸造り専用の優良酵母、原料米の処理、発酵の管理からびん詰・出荷に至るまでの高度に完成された吟醸造り技術の開発普及により商品化が可能となったものです。 引用:国税庁HPより
・・・つまり
贈答には「大吟醸」「純米大吟醸」で、普段用はその他のお酒が良いかもしれません。よく、「純米大吟醸酒は最高ランクのお酒だから、これにする!」と、お考えのお客様がいらっしゃいます。
また、前述の特定名称酒の図を再度見てみてください。「大吟醸」と「純米大吟醸」は同ランク、「吟醸」と「純米吟醸」は同ランクとなっております。つまり、どちらを選んでも最高ランクのお酒という事ですね。
この「大吟醸」「純米大吟醸」の差は「醸造アルコールが入るかどうか」の違いです。「醸造アルコール」が入ると香りよく、すっきりテイスト。入らないと旨味がロングテイストで口に残ります。私は醸造アルコールが入っている「四ッ星」が大好きです🙃これは個人の好みになりますが。
どちらも良い点が満載なので、お食事との相性を考えて選ぶのも楽しいかもですね!!
◆2.酒質で選ぶ(日本酒度・香りなど)
日本酒には固有の指標があります。それが「日本酒度」となります。日本酒度が“+”の表記であると辛口です。+1、+2、+3と、順に辛くなります。+5以上が辛口と言われている日本酒になります。
また、“-”の表記であると甘口です。-1、-2、-3と、順に甘くなります。
辛口と甘口は全て“±0”を基準に判別されます。
ここで注意!!
辛口であるから、「とうがらしのようにピリッと辛い」「甘口だから飴玉のように甘い」というわけではありません。この日本酒度は専用の器具を用いて日本酒の中の“糖”がどのくらい残っているかを、数値化したにすぎません。したがって、辛口を選んだにも関わらず、「甘く感じる」ことも中にはあります。人間の舌は機械より優れている敏感な「センサー」となっておりますので、日本酒度は一つの【目安】としてみてください。
また日本酒度とは別に、香りの部分では先ほどの「大吟醸・吟醸」「純米大吟醸・吟醸」のランクのお酒(つまり薫酒)が吟醸香を保持していることは既にお話しています。参考までに舩坂酒造店の日本酒でお話しすると、、、。
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要望:吟醸香があり、辛口の日本酒は?
⇒大吟醸四ッ星、大吟醸深山菊(おおむね薫酒が該当)
要望:吟醸香が無く、辛口の日本酒は?
⇒飛騨の甚五郎、深山菊秘蔵特別純米、杜氏の宴など。(おおむね爽酒・醇酒が該当)
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と、なります。ご贈答先の事をよくご理解されているときにとても有効な方法ですね!
◆3.予算で選んでみる
皆さん大事な予算。この予算でお酒の質も変わってきます。毎晩飲む日本酒は一升瓶(1800ml容量)で2,000円以下。そのようなお酒は上記記述の特定名称酒で“本醸造”“純米”または“普通酒”というランクになります。贈答品やお祝い返しは5,400円(720mlか1,800ml容量)が主流となっているようです。
特定名称酒では“純米大吟醸”や“大吟醸”です。こうなると日本人は上記の算の中間3,000円の予算を頭の中に「パッと」浮かぶと思います。実は探すと大吟醸4合瓶(720ml)でも3,000円の日本酒が存在しております。その予算で一升瓶(1,800ml)であると”特別純米”や”吟醸酒”ランクも購入可能な視野に入ってきます。
◆4.大きさ(容量)で選んでみる
日本人は縁起をかつぐ習慣やその土地の慣例や習わしがあります。
縁起をかつぐ習慣といえば、ご結婚式の時のご祝儀袋は縁がほどけないように“結び切”とか。
飛騨高山ではお祭り時に寺社仏閣へのお酒の奉納は1800mlの2本しばりor 1800ml2本入り箱にて奉納する習わし。
※基本的に2本以上が慣例となっているようです。
贈る側のお気持ちで“3本しばり”や最大“5本しばり”まで贈る事が可能ともなります。
地域差もありますので、冠婚葬祭時はお近くの酒屋さんもしくは地域の方に聞いてみることをお勧めします。ご結婚祝いで“一生お幸せに”という意味合いで一升瓶(1800ml)を贈答するのもよいですし、
お持ち帰る方を思って4合瓶(720ml)を贈答することも良いです。
◆5.利き酒師や販売員に相談してみる
舩坂酒造店の利き酒師です。舩坂酒造店には7人の「日本酒利き酒師」がいます。
利き酒師は日本酒の「銘柄あてクイズ」のような特殊技能はありません。その代わりに、「この日本酒にこれがあうよ!」「この日本酒の特徴は」など、蔵元だから知りうる情報や酵母や酒造好適米から考える日本酒のことなどすべて知っております(^^)/
蔵元スタッフがいたら、「〇〇の時に渡したいお酒で・・・」と、気軽にお話してください!はずかしがらずに、お話しできる内容を全て話してもらえると、最善の日本酒までエスコートさせていただきます。
以上、ながーくなりましたが、あくまでも一つの参考知識にしていただければと思います☺
それでも迷われている方。「お手みやげにぴったり」「お手軽な贈りもの」「きっちりとした贈りもの」の3タイプに分けましたので、どうぞ、ご参考にしてみてください!
お手みやげにぴったり
贈り先:自分用・地酒好き・お手軽なお土産で
御予算:2000円程度
容量:720ml~1800mlがねらい目
深山菊秘蔵 特別純米 720ml
雑誌「pen」にてソムリエが選ぶ日本酒で三ツ星を獲得の、オール岐阜県産のお酒
米本来の少し甘めの香りがやさしく香り、さらりとした口当たりから、キュッと引き締まったキレの良い辛さと喉越しが魅力の純米酒です。さっぱりとしていながら、しっかりとしたコクもあり、余韻はあまり強くなく、爽やかに感じます。食中酒として幅広く対応できますが、冷やすと酸味を強く感じるので、飛騨牛などの脂ののったお肉と合わせるのがオススメです。
杜氏の宴 720ml
蔵元限定販売のお酒!辛口原酒です。
やわらかく控え目な香りで、口の中ではグッと旨味が広がる濃い目のお酒です。
喉越しはスッとキレ良く流れ、原酒とは思えないほど飲みやすいです。
カルビやホルモン等、脂身の濃い肉料理と合わせるのがオススメです。
お手軽な「贈りもの」
送り先:先輩・上司・お世話になった方へ
御予算: 3000円程度
容量:大吟醸クラスなら720mlがねらい目
大吟醸深山菊 720ml
2019年ミシュランガイド東海地方の特別版発表会にて会場で振舞われたお酒です。
穏やかに立ち昇る果実のような甘い香りがあり、口に含むと舌の上に広がる米の甘味とキリリと引き締まった辛さを感じつつ、喉越しはスッキリとした辛口の吟醸酒です。あとから花開くように口の中には米の甘味などが広がり、ちょっと強めの余韻が残ります。酸味が少ないので、牛ロース、タン塩などの肉料理と合わせるのがオススメです。
純米吟醸深山菊 720ml
口当たりの柔らかい旨味を感じられるお酒。
華やかに広がる甘い香りがあり、口の中に広がる米の甘味と旨味の中にピリッとした辛さを少し感じつつ、喉越しはキレ良く通る、やや甘口の純米酒です。濃厚な味を持ちながら、生の風味が生きているので、口の中に広がるお米の甘味などがそのまま余韻として残りますが、重すぎず爽やかに感じます。米の甘味、旨味が多いので、牡蠣、帆立、アサリなどの貝類と合わせるのがオススメです。
きっちりとした「贈りもの」
送り先:一生に一度のようなとき、「お目出たい行事」に「人生の節目の時」に
御予算:5000円程度
容量:最高級な”大吟醸”ランク必須で720mlがおすすめ。場合により1800mlも視野に入れましょう。
大吟醸四ッ星 720ml
華やかでフルーティーで旨い。もらって嬉しい大吟醸
飲むときには是非「ワイングラス」でお飲みください。フルーティーで華やかな香りとほんのり届く麹の香りが口の中を優しく包み込みます。冷蔵庫から出した後は室温との温度差で瓶に水滴が出始めたら飲み頃です。
純米大吟醸杜氏平岡誠治 720ml
旨味軽やかなフルーティー純米大吟醸
これまでの経験を全て注ぎ込むという平岡杜氏の想いは非常に強く、納得のできる味わいは、自信の表れとして「杜氏 平岡誠治」と名付けられた。フルーティで華やかな香りが特徴的な女性にオススメの1本。ワイングラスでその華やかな香りと共に、お米の甘味と旨みを味わうのがおすすめです。
以上、是非参考にしてみてください!それでは、今夜も地酒で乾杯!!
そしゃそやぞ☺